インタビュー
亀井聖矢[ピアノ]
世界が注目する稀有なる音楽性に迫る【2024年6月23日公演】
2022年のロン=ティボー国際音楽コンクールでセンセーショナルな優勝をなしとげた亀井聖矢が早くもミューズに初登場を果たす!
圧倒的なテクニックと卓越した音楽性で世界の注目を集める俊英に公演に寄せる想いを聞いた。
小林研一郎[指揮] 亀井聖矢[ピアノ]ハンガリー・ブダペスト交響楽団
炎のコバケン&
ハンガリーの名門と共演
世界中のオーケストラから尊敬を集めるマエストロ、小林研一郎先生と共演するのは初めてですが、すごく楽しみで光栄です。小林先生の情熱的でエネルギーに満ちた音楽、またスケールの大きな深い音楽性にのせていただきながら、自分も新しい音楽をつくっていく、そういうチャンスなのではないか、と楽しみにしています。
ヨーロッパのオーケストラとはコンクールでは共演しましたが、コンサートで本格的に共演するのはワルシャワ国立フィルに次いで2度目の機会です。ハンガリー・ブダペスト交響楽団は、ヨーロッパでも屈指の実力をほこる名門ですし、何より作曲家リストの生まれ故郷のオーケストラですので、その楽団とリストの協奏曲を共演できるのは本当に幸せです。ピアノとオーケストラの掛け合いがとても重要な作品ですので、小林先生を信頼して、自分の最大の熱量を発揮しぶつけてみたいと思っています。
技巧と抒情
ーー ロマン派随一の傑作
ピアニストにとってリストはものすごく大切な作曲家です。現在のハンガリーで生まれたので、ハンガリーの民族色のような要素もありますが、何よりもヨーロッパ全土を席巻したリストの超絶的な演奏テクニックが盛り込まれているのが魅力です。でも、ピアノ協奏曲第1番はもちろんそれだけでなくて、第2楽章アダージョのノスタルジックで美しい旋律も大好きですし、作曲技法の面からみると、全曲に統一された主題(メロディ)が現れる「循環主題」で書かれており、同じ主題が様々に表情を変えながら現れるという、緻密な構成も素晴らしいと思います。
冒頭から重厚なオーケストラと華やかなピアノの響きで始まり、お客様を飽きさせることなく多彩な楽想がどんどん繰り広げられますが、その中にも音楽の統一感のようなものを表現できたらいいな、と思っています。
コンクールの先に目指す
理想のピアニズム
愛知県で過ごした高校時代まで、杉浦日出夫先生をはじめ多くの先生に支えていただきました。ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールやロン=ティボー国際音楽コンクールで多くの方に注目をしていただき、活動の幅が広がったことはとても嬉しいことで、大きなステップになったと思いますが、一方でコンクールの前も後も目標とするものは変わっていないですし、演奏の機会をいただきながら一歩一歩経験を重ね、感覚的にしか学べないものも含めて成長できればと思っています。
キーシンやアルゲリッチのような卓越したヴィルトゥオジティは本当に素晴らしいと思いますし、ソコロフのような深くスケールの大きい音楽にも魅了されます。フランソワとかブレハッチの詩情豊かな演奏家らも学ぶことがたくさんあります…挙げるとキリがないですが…
初めて演奏する所沢ミューズのアークホールで、お客様にリストの音楽を楽しんでいただけるようベストの演奏をお届けしたいと思っています。
みなさま、会場でお待ちしております!
【2024年6月23日公演】