季刊誌『InfoMart』

  • 小
  • 中
  • 大

インタビュー

神尾真由子(ヴァイオリン)【2013年10月14日 出演】

チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、そのテクニックと豊かな音楽性で世界中の注目を集める神尾真由子さん。10月14日の「ミューズヴァイオリンシリーズ〜麗しきヴァイオリンの女神たち〜」では、前橋汀子さん、ヴィヴィアン・ハーグナーさんの後を受けてフィナーレを飾ります。
所沢ミューズには3度目の登場となる今回のリサイタルを前に、いままさに磨きのかかったヴァイオリンのことやふだんの生活についてお聞きし、人気の秘密に迫りました。

神尾真由子(ヴァイオリン)

子ども時代4歳でヴァイオリンを始めた頃の写真です。(※季刊誌『InfoMart』には写真を掲載しています。【PDFファイルを見る】ヴァイオリンを弾くのが得意だったので、とっても楽しかったですよ。6歳の頃にヤマハのオーケストラと共演して、ベートーヴェンのロマンス第2番を演奏しました。そのとき、司会の方に「大人になったら何になりたい?」と聞かれて「ヴァイオリンのソリスト!」と答えたのを覚えています。なぜかカメラ目線ですね(笑)。

想い出の曲チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が、小さな頃から弾いてみたいと憧れていた曲です。小学校の5年生の頃から練習し始めましたが、技術的にものすごく難しくて「本当に弾けるようになるかな?」と思いましたよ(笑)。この楽譜はドロシー・ディレイ先生など多くの先生方のレッスンを受けた楽譜で、書き込みがいっぱいです。もう15年くらい使っているので、最後のページとかボロボロで……(笑)。

1735年製作のグァルネリ・デル・ジェス〝ゼンハウザー〟去年の夏頃からストラディヴァリ・ソサイエティより貸していただいている楽器ですが、とにかく「いい音」です! 太く良く鳴りますし、地響きのようなパワーがあります。以前弾いていたストラディヴァリは上品で鋭さのある音でしたが、それとは違う意味の良さがあって、いろいろな曲をやってみたくなります。

フツ〜の手ですよ(笑)。ちょっと小さいかな? わりと柔らかい手なので、ヴァイオリンには向いているかもしれないです。指は細いほうが音程が取りやすいんですが、同時にしっかりと弦を押さえる握力も必要なんです。

巨匠たちとの共演これまでに多くの素晴らしい指揮者と共演させていただきましたが、ズービン・メータさんとは、イスラエル・フィル、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立歌劇場管など、何度も共演させていただきました。ポーランド生まれの巨匠アントニ・ヴィットさんの指揮でワルシャワ国立フィルで共演したり、ジャナンドレア・ノセダさんの指揮でBBCフィルと日本ツアーで演奏できたのは、とても貴重な経験でした。

癒しの愛犬ムサシくんムサシという名前の14歳になるビションフリーゼを飼っています。 我が家では「犬泉くん」って呼んだりしています(笑)。このムサシがありえないくらいの「悪犬」で、母が留守のときにご飯、ラーメン、納豆など家のあらゆる食べ物を食べ漁って家中をゴミだらけにしたんです。母が怒って玄関に閉じ込めたら、家族の靴のなかにおしっこをするんです。あるときまたやったので、父がものすごく怒ったら今度は痛くもないのに父の前で足が痛いふりをするんですよ。それなのに私がエサをあげるとピョンピョン飛び跳ねるんです。本当に悪知恵ばかり働いて困っています(笑)。

音楽家・神尾真由子自分で自分の演奏を客観的にみるのは難しいですが、私の演奏は比較的おとなしい、素直なタイプの演奏ではないかと思っています。指揮者の方からは「行儀が良すぎる」と言われることもありますね。ですから、近くで聴いたら「きたない」くらいに積極的に音楽をしないと、客席まで自分の表現や曲の良さが届かないと思っています。

いまでは、いしかわミュージックアカデミーで若い人にレッスンをしたりすることもあるのですが、ちょっとしたコツで演奏の変化を引き出したりするのは楽しいしやりがいがありますね。今後は、プロではなくて大人のアマチュアの方を教えるのもいいな、と思ったりしています。

とにかくいろんな人に囲まれるような将来だったらいいな、と考えています。

【2013年10月14日 出演】

« 季刊誌『InfoMart』に戻る

インタビュー

ミューズチケットカウンター:04-2998-7777

ミューズ利用受付窓口:04-2998-6000