ミューズ シネマ・セレクション Part16 世界が注目する日本映画たち
窓口販売:10:00 ~ 19:00 電話予約:10:00 ~ 18:00
(休館日は営業しておりませんので予めご了承ください。)
※一般発売初日は、お一人様6枚までとさせていただきます。(一部公演を除く)
- 3月19日(土)13:30~
『あん』(113分) -
ゲスト:ドリアン助川さん(原作)
初の来場です!静かに読み継がれている小説「あん」と映画「あん」と、ふたつのお話しが伺える時間です。ミュージシャン、ラジオパーソナリティー、放送作家、詩人、大道芸人、と多彩な活動を続けるドリアン助川さんのお話は、きっと縦横無尽。映画が何倍も面白くなる時間になることでしょう。公式ホームページ:http://an-movie.com/
監督・脚本:河瀨直美
原作:ドリアン助川
出演:樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子
桜並木の下で小さなどら焼き屋をきりもりする千太郎。ある日、ここで働きたいと現れた老女の徳江がこしらえる粒あんは絶品で、店は大繁盛するのだが…。ドキュメンタリー映画から出発し、これまで劇場映画でも一貫してオリジナル作品をつくり続けてきた河瀨監督が、初めて原作をもとにした記念碑的作品。ハンセン病を経験した徳江を軸に、生きる意味や幸せについて静かに問うドリアン助川の小説を読んだ河瀨監督は「これを映画化させないといけない」という使命感に突き動かされた。樹木希林や永瀬正敏らの名演と、桜や深い緑の木々、そして小鳥が、徳江と千太郎の魂の交感を、生きる喜びを見事に描き出して、魂が揺さぶられる。
●河瀨直美(かわせ・なおみ)
1969年奈良県生まれ。97年、劇場映画デビュー作『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドールを史上最年少受賞。2007年、『殯の森』で同映画祭審査員特別大賞グランプリ受賞。13年には『2つ目の窓』が同映画祭コンペティション部門に正式招待された。
- 3月19日(土)16:45~
『ぼくたちの家族』(117分) -
ゲスト:石井裕也監督
一昨年、松田龍平さん宮﨑あおいさん主演『舟を編む』の上映時は『バンクーバーの朝日』撮影中で来場叶わなかった石井監督が、ご自身でも特別の思い入れがあるという本作のために登壇します!若き俊英の映画愛を感じてください。監督・脚本:石井裕也
原作:早見和真
出演:妻夫木 聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽衣
長男は結婚し、会社勤め、次男は大学生。今は父母だけが郊外の一軒家で平穏に暮らしているが、ある日、母が余命1週間を宣告されてしまう。原作小説を読んで「僕自身の話だ」と驚いた石井監督は、「本気で家族と向き合い、新しい世代の感覚で家族を描きたかった」と語る。母の発病により、父の不甲斐なさと多額の借金が明るみになり、長男の浩介はすべてを自分で背負わなければと奔走する。童女のように明るい母親。おろおろするばかりの父親。重圧にじっと耐える浩介。のほほんとしながら言いたいことをズバリという次男・俊平。4人のセリフと表情と間合いが実にリアルで、緊迫の場面に笑いを持ち込む石井ワールドの真骨頂が堪能できる。
●石井裕也(いしい・ゆうや)
1983年埼玉県生まれ。大阪芸術大学の卒業制作『剥き出しにっぽん』(2007年)で注目され、第1回エドワード・ヤン記念アジア新人監督大賞受賞。以降、『川の底からこんにちは』(10年)、『舟を編む』(13年)、『バンクーバーの朝日』(14年)などを手掛けた若き巨匠。
- 3月20日(日)11:00~
『滝を見にいく』(88分) -
ゲスト:沖田修一監督
可笑しくて優しくて新鮮な作風に、老若男女、国内外で益々ファン増加中の俊英、沖田監督が2度目の来場です!実は所沢は監督の故郷なのです。リラックスして色々なお話を伺えそうです。公式ホームページ:http://takimini.jp/
監督・脚本:沖田修一
出演:根岸遥子、安澤千草、荻野百合子、桐原三枝、川田久美子、德納敬子、渡辺道子、黒田大輔
幻の滝を見に行く温泉付き紅葉ツアーに参加した7人のおばちゃんたち。頼りないガイドと一緒に滝を目指して山登りを始めるが、気がつけば突然のサバイバル生活に突入! 『南極料理人』『横道世之介』の沖田監督が、「40歳以上の女性・経験問わず」の条件でオーディション、演技経験のまったくない素人を含む7人をキャスティングし、オリジナル脚本を仕上げた。年齢も個性もバラバラなおばちゃんたちの、いかにもおばちゃんな生態の数々に笑いながら、人生経験豊富なおばちゃんならではの知恵とガッツで困難を乗り切っていく姿に、爽やかな勇気をもらえる。沖田組の常連俳優で頼りないガイドを演じる黒田大輔の好演も光る。
●沖田修一(おきた・しゅういち)
1977年埼玉県出身。2009年、『南極料理人』で、国内外で高い評価を受ける。12年公開の『キツツキと雨』で東京国際映画祭審査員特別賞受賞。13年公開の『横道世之介』でブルーリボン賞最優秀作品賞などを受賞。最新作は『モヒカン故郷に帰る』。(16年3月広島先行、4月全国拡大公開)
- 3月20日(日)13:45~
『夢は牛のお医者さん』(86分) -
ゲスト:時田美昭監督
主人公を追うテレビ番組の製作後もコツコツと取材を続けた本作で、巨匠・山田洋次監督を唸らせ、第24回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞を受賞なさいました。新潟からご来場下さいます!公式ホームページ:http://www.teny.co.jp/yumeushi/
監督:時田美昭(TeNYテレビ新潟)
ナレーション:横山由依(AKB48)
新潟県のローカル局が少女の夢の始まりから現在までの26年間を密着取材した感動の記録。東京1館、新潟3館での公開が反響を呼び、またたくまに全国50館以上に拡大。ミニシアターでは異例の公開4か月で約2万人の動員を達成した。1987年、新潟県の小さな小学校に3頭の子牛が“入学”、小学3年生だった少女・知美は、「牛のお医者さん」になる夢を抱く。少女がその夢をずっと忘れずにいることを取材記者だった時田監督が知ったのは、小学校の廃校から4年後のことだった。全校生徒9人の、純朴な子供たちの笑顔と涙。出稼ぎに行く男たちを見送る村人たちの姿。少女の強い意志と頑張り、それを支える家族の姿は、強く美しく、心が静かに清められる。
●時田美昭(ときた・よしあき)
1960年新潟県生まれ。横浜放送映画専門学校(現・日本映画大学)卒業後、テレビ新潟に入社。主に報道部、制作部に在籍し、「ズームイン!!朝!」などを担当。報道記者だった87年に知美さんに出会い、その後26年間、密着。現在は報道制作局チーフディレクター。
- 3月20日(日)16:30~
『岸辺の旅』(128分) -
ゲスト:黒沢 清 監督
世界で最も有名な日本人監督のひとりであり、究極のラブストーリーを描いた本作で、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」にて、日本人初の“監督賞”受賞の快挙を成し遂げた黒沢監督の来場です!公式ホームページ:http://kishibenotabi.com/
監督:黒沢 清
原作:湯本香樹実
脚本:宇治田隆史、黒沢 清
出演:深津絵里、浅野忠信、小松政夫、蒼井 優、柄本 明
失踪していた夫が3年ぶりに突然帰ってきて、「俺、死んだよ」と妻に告げる。夫婦は、夫がこの3年間に過ごしてきた土地を訪ね歩く旅に出る。サイコサスペンス映画『CURE』で国際的に注目された黒沢監督にとって、初めて旅を、そして男女の愛を描いた、メロドラマ作品。夫・優介が妻・瑞希を連れて巡る「きれいな場所」は、田舎の小さな町や農村で、2人はかつて優介を世話してくれた人たちと数日間過ごす。瑞希は知らなかった彼の一面に触れ、彼への愛を深めていくが、同時に、死者への思いを断ち切れない人たちと出会う旅にもなる。黒沢監督の新境地を、深津絵里と浅野忠信の静かなる名演と稀有な存在感が見事に支える。
●黒沢 清(くろさわ・きよし)
1955年兵庫県生まれ。1997年の『CURE』で国際的な注目を集め、2001年の『回路』でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞。2008年の『トウキョウソナタ』では同映画祭「ある視点部門」審査員賞とアジア・フィルム・アワードの作品賞を受賞した。
- 3月21日(月・祝)11:00~
『トイレのピエタ』(120分) -
ゲスト:松永大司監督、小川真司さん(プロデュ―サー)
俳優からキャリアをスタートし、ドキュメンタリー監督を経て、この長編デビュー映画で、早くも多くの映画賞レースに名乗りを上げる大注目の新人監督が、初めて所沢にいらっしゃいます!小川真司プロデューサーの来場も決定!公式ホームページ:http://www.shochiku.co.jp/toilet/
監督・脚本:松永大司
原案:手塚治虫
出演:野田洋次郎、杉咲 花、リリー・フランキー、市川紗椰、大竹しのぶ、宮沢りえ
画家への夢を放棄して窓拭きのアルバイトをする宏は、突然倒れ、余命3か月を宣告される。孤独で勝気な女子高生の真衣や入院仲間との出会いによって、宏の無為な日々は少しずつ変化していく。手塚治虫が病床で記した作品構想「トイレのピエタ」から着想を得た松永監督が、オリジナルストーリーを書き上げた。主演は人気ロックバンドRADWIMPSの野田洋次郎。青年の投げやりさ、絶望、怒り、優しさ、生への執着を、気負うことなく自然に表現して、これが初の映画出演とは思えない無比の存在感を示す。真衣を演じる杉咲花は、若手演技派として注目の存在。彼女の時に突飛な行動は躍動感にあふれ、宏の目にまぶしくきらめき、生への讃歌につながるのだ。
●松永大司(まつなが・だいし)
1974年東京都生まれ。性同一性障害の現代アーティストを8年間追い続けたドキュメンタリー映画『ピュ~ぴる』を監督。2011年に公開され、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭に正式出品され絶賛された。『トイレのピエタ』は長編劇場映画監督第1作。
- 3月21日(月・祝)14:15~
『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(121分) -
ゲスト:松尾スズキ監督
初来場が叶いました!宮藤官九郎さんや阿部サダヲさんが所属する劇団「大人計画」を主宰し、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演するなど、多方面で才能を発揮する松尾監督から直接お話が聞けるチャンスです。公式ホームページ:http://www.jinuyo-saraba.com/
監督・脚本:松尾スズキ
原作:いがらしみきお
出演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子/二階堂ふみ/松尾スズキ/西田敏行
お金恐怖症になった元銀行マンの青年は、自給自足生活を夢見て寒村のボロ家に住みつくが、この村は異常に世話焼きな村長や写真好きの「神様」など、不思議キャラがいっぱいだった! ジヌとは、東北地方の方言で「銭」「お金」のこと。学校も病院も銀行もない、高齢化率40%の東北の村で、1円も使わないのどかな田舎暮らしを夢見る主人公タケ。ヒートテックの重ね着で冬を乗り切るつもりだった読みの甘いタケを松田龍平がひょうひょうと演じて笑わせ、さらに、豪華キャスト演じる個性の濃い村人たちとの交流が実に楽しい。いがらしみきお作品初の実写映画化は、ハラハラドキドキの事件も起きつつ、のびやかに人間たちを讃える。
●松尾スズキ(まつお・すずき)
1962年福岡県生まれ。「大人計画」主宰。2004年、初長編監督作品『恋の門』がヴェネチア国際映画祭に正式出品。そのほかの長編映画作品に、芥川賞候補になった自身の小説の映画化『クワイエットルームにようこそ』(07年)がある。俳優としての出演作も多数。
- 3月21日(月・祝)17:30~
『野火』(87分) -
ゲスト:塚本晋也監督
13年に『KOTOKO』でご来場いただいた塚本監督が、再び所沢に登場です。『野火』は、原作そのままに第二次世界大戦末期の南洋を描いていますが、主演・製作・脚本・撮影・編集全てを塚本監督が担い、圧倒的なパッションで映画が包まれています。その撮影秘話がいろいろ伺える時間になりそうです。公式ホームページ:http://nobi-movie.com/
監督・製作・脚本・撮影・編集・出演:塚本晋也
原作:大岡昇平
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森 優作、中村優子、山本浩司
第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなるなか、田村一等兵は結核を患って部隊を追い出され、はてしない原野をさまようことになる。10代のときに小説『野火』に衝撃を受けた塚本監督は、その映画化に向け始動してから20年以上の歳月をかけ、「今でなければつくれなくなる」という強い思いで、ついに完成。美しい自然のなか、極限状態に追いつめられた兵士たちは、泥と垢にまみれ、人間性が破壊され、つぎつぎと死んでいく。正視に耐えられない戦場の悲惨な現実を直視させる87分は、映画でしか表現できない圧倒的な迫力がみなぎる。戦争の非人道性を真っ向から訴える傑作だ。
●塚本晋也(つかもと・しんや)
1960年東京都生まれ。劇場映画デビュー作『鉄男 TETSUO』(89年)でローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。以降、『六月の蛇』(2002年)、『KOTOKO』(11年)など常に話題作を発表、国際的な人気を誇るカリスマ監督。俳優としても映画やテレビで活躍。